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盆送り 千の風になって

この記事を書いてる8月16日は旧盆最終日。
秩父の高台にある聖地公園では行燈祭りが盛大に行われ
花火でご先祖様をあちら側へ送っている最中です。
ウチからもその花火の音が聞こえてます。

腰痛はすっかり回復しましたが、仕事などの都合で今年の盆は
実家へ行けませんでした。
父ちゃんも母ちゃんも怒ってるかなぁ(笑)

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 8/16夕方 ウチの庭から
千の風になって見守ってくれるっちゅうんだから大丈夫だよね、きっと

さて、お話は一転致しますが、今月読んだ本の感想と自分を重ねてあの世の
母ちゃんへ文句のひと言を・・・化けて出てこなくていいかんね(笑)

本は2冊 一冊目が職場のお姉さんから借りて読んだ平野啓一郎の
「かたちだけの愛」2010年中央公論社発刊で
もう一冊はそのお返しに貸した本を内容をすっかり忘れてたので改めて
読み返した村山由佳「すべての雲は銀の・・・」2001年講談社文庫です。

両方とも恋愛小説なのですが、もうひとつ、主人公の男性がトラウマを
抱えているという点が共通してます。
「かたちだけの愛」では工業デザイナーの主人公が少年期に浮気を繰り返す
奔放な母親から受けたトラウマ、「すべての雲は・・・」では恋人を実の兄に取ら
れてしまった学生のトラウマです。
その主人公の心理描写はさすがに大きな賞を受賞する力量のある作家さんたち
そして内向的でシャイな主人公と自分が自然に重なり思わず読み入ってしまい
暫く忘れていた自分のトラウマを思い出してしまった。

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 同刻、今度は東側の空 もう上空2000mは秋の気配です

昨年2月に書いてますが、ヨッシーは二十歳になっても何をやりたいのかわからず
その進路は未定のまま、ただ何となく平凡なサラリーマンはヤダって都内をフラフラ
してました。
上の兄弟たちはとっくにちゃんとした会社に就職してる。心配性な母は兄に暮らしぶり
を見に来させたり、たまに帰省すれば泣いて「早くきちんとした会社で働け」と兄弟中
を味方につけてオイラを追い込んだ。

誰でも「自分は他の兄弟とはちょっと違ってるかも」って思うのかも知れませんが
もっと幼少の頃から「お前は橋の下で拾ってきた子だ」とか「産むつもりはなかった」などと
散々聞かされてきたし、そそっかしかったり落ち着きがなかったりで要は母親や兄弟から
全然信用がなかったんです。

「別に働くことが嫌いなわけでもないし、ただ本当にやりたいことを探してるだけなのに
 なんでこの人たちはオレを信用してくれないのだろう」
どうしようもなく哀しく、なによりもそれ以上に説得をする言葉を持たない自分に無性に
腹がたった。でも、
顔を合わせる度に泣かれたんじゃ、あの時は「まぁ人並みに就職でもして安心させてやる
しか方法はないか」とね。

いま思い返してみるとあの時
「お前のことは信用しているから好きなように生きてみなさい」

今を別に後悔しているとかそんなことではなくて、
そのひと言で結果はともかく、オイラの人生は全く別のものになってたろうなぁ。

非の打ちどころのない満点の親や子供なんて世界中探したっているわけがありません。
時にその距離が近すぎて衝突し、良いも悪いもすべて背負いながら切っても切れないの
が家族でしょう。

ただ、自分が親になったとき、母親を反面教師に自分の子だけは例え世界を敵にまわし
てでも信じ切ってあげる。
それだけは守り通しました。

母ちゃん、あなたからはやさしさも十分に頂きました。
だからくれぐれも化けて出るなよー


 追記
この記事を更新して一夜があけました。とりあえず昨夜は母も化けてでなかった
ような気がする
私よりもっと上の世代では「贅沢なトラウマだ、我々なんか働くことしか人生の選択肢
がなかったよ」とお叱りを受けるかも知れませんね。
母もそのような世代だったのでしょう。

今日はヨッシーお休みの日なので、CD棚の一番奥から「尾崎豊」を取り出して久し振り
に聴いてみたくなった。ヨッシーの持ってるのは「十七歳の地図」1983年暮れ発表
今歌詞カードを見てます。「街の風景・十五の夜・十七歳の地図・僕が僕であるために」
このピュアな精神の持ち主だった彼の詩やメロディと全魂を傾けて歌うどのアルバムも
30年経った今も色あせるものではありませんものね。

                                          合 掌


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No title

お母さん化けてでなくて よかったね♪(* ̄m ̄)ぷっ

ワタシはヨッシーさんと逆かなぁ。
祖父母や母親が戦火をくぐって、やっとこさ疎開してきたんで
東京で家も、持ち物も仕事も全部 焼かれ
知らない土地で 一から出直しだったようだから
自由なんて ナイも同然だったみたい。

その反動か、自分の子供等には、好きなようにさせてくれた。
おかげさんで、勝手きままで、いい加減なヤツが出来上がりましてね!(いいのか、悪いのか・・・)

子供を信じきるって決めて、実行したヨッシーさん
カッコイイお父さんだなぁ~。
ワタシ小さいとき 父親なくしたから
そーゆー父ちゃん、憧れますわぁ~♪

花ちゃんへ

化けては出なかったんだけど、埼玉秩父は夕方から雷雨です。
どうもカミナリ親父じゃなくて、カミナリ母ちゃんになって空の上で

「このバカ息子が、お前だけ特別扱いはできなかったんだよ」
と怒っているみたいです。

カッコイイ親父だったかどうかはわかりませんが
おかげさんで、勝手気ままでいい加減なヤツがこちらにも
ふたりできあがりましたe-259

今日、すでに尾崎は5回くらい聴いてます。
まっすぐで、でも不器用な生き方。
好きです・・・こういうの

彼は自分の青春時代と息子たちの青春時代の中間世代ですが
オラの青春と、親として観ていた子供たちの青春時代の姿が
重なり胸がキュンキュンしてます今夜は




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ままタクシー

Author:ままタクシー
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記事担当のヨッシーです。
乗務員歴6年(H22年7月現在)
ウチの会社では中堅ドライバーになりました。
明るくやさしく安全運転をモットウに日々頑張ってます。
趣味:音楽鑑賞 カメラ
   愛犬とブラブラ散歩・ゴルフ
   読書と書くこと
秩父に行ってみたくなる記事、
なんとなくホットする記事を
更新していきたいと思います。

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