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みなしごジャックの大冒険(完)

今度のシリーズ、今回が最終回ということで少し長くなりそうです。
最後までお付き合いを頂きありがとうございました。

どうやら犬たちに帰り道を教えてくれた観音様のお寺は皆野町日の沢にある
秩父札所34番の水潜寺だったようです。(本尊は千手観世音菩薩)
タロー&ジャック 少しづつですが、確実に家に近づいていますね。

その朝もまだお日様が昇る前にボクたちは出発した。
「兄ちゃん 観音様が教えてくれた沢ってこれに間違いないよ」
「うん 実は前に父ちゃんと来た時はこの沢の上流にある峠の向こう側に車を
 停めて歩いてきたんだよ」
手がかりをつかんでボクの気持ちは明るくなった・・・お腹は空いてるけど

「もう峠まであと少しだからジャックがんばろう」
兄ちゃんが励ましてくれているとき、その峠の方から女の人たちの悲鳴が聞こえた。
ボクが急いで駆け付けると、真っ黒いクマ公が女性に襲い掛かる寸前のところだ。

ボクは無我夢中で吠えながらクマの背中に体当たりしてやったんだ。
そしたらそいつ、今度はボクに向かってきた。
恐かったけどボクは四つ足を踏ん張って唸り声をあげた。
兄ちゃんもすぐに追いついてきてボクに気を取られてるあいつの背後からおケツを
ガブっておもいっきり噛みついた。
そのときあいつの鋭い前足の爪が兄ちゃんの左前足をひっかけてみるみる兄ちゃんの
白い前足が真っ赤に染まっちゃった。

それでもボクたちがひるまずに吠えまくったのであいつは山の中に逃げてっちゃったよ。
たぶん母親から独立したばかりのまだ若いクマ公さ。

「へへーどうだー イザとなればボクたちは強いんだぞー 兄ちゃん前足大丈夫?」
「うん、傷は浅いよ こんなのかすり傷さ」

女の人はまだ震えていたけれど
「ありがとう あなたたちが来てくれなかったら わたしはあのクマに殺されてたかも・・・
 この背中のリュックに入ってるお弁当を狙われたのね」
そしてもうひとりの女の人が兄ちゃんの怪我した前足をハンカチでしばりながら
「こんな山の中で犬に助けてもらうなんて ああ~あなた達はきっと観音様の化身だわ」
とかなんとか言っちゃってる。
(そんなに感心しなくてもいいから、ボクたちお腹が空いてるんだよう なんか食べ物を
 頂戴よ)
ボクの願いが通じたらしく女の人はリュックからおせんべいを出して一枚ずつボクたちに
くれた。あんまりがっついて食べるもんだから
「あらあら相当お腹が空いてるのね 良かったらお弁当もどうぞ」って
ラッキー人助けはするもんだね。

「じゃあ わたし達は巡礼の締めくくり、水潜寺へお参りに行くわね わんちゃんたちも
 一緒に行きましょう」
ってボクたちが登ってきた道を下り始めました。ボクが付いて行こうとすると
「ジャック そっちじゃないよ ボクたちの家はあっちだろ」
兄ちゃんに言われて仕方なく巡礼の女性たちにさようならをしました。


「兄ちゃん足はほんとに大丈夫」
兄ちゃんと並んで沢の水を飲んでいると、今度は頭上で野鳥たちのさえずり(噂話し)が
聞こえた。
 
「なんでも向こうのお山・定峰峠のふもとにある里の峰さんていうお宅のわんちゃん
 が城峰山で迷子になって峰さん夫婦がすごく心配してるんですって」

「そうそう それってあっちでその峰さんにエサの少ない冬のあいだお世話になってる
 わたし達の仲間からの伝言でしょ」
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「ねえ あの沢でお水を飲んでるわんちゃんたちがそうじゃないの」

「鳥さんおはよう いまの話しってほんとう?」
「あら やっぱりあなたたちがタローさんとジャックなの」
「うん」
「クマとの格闘すごかったわ でも良かったわねー ふたりとも無事で もう安心よ 
 わたしたち野鳥のネットワークを使って帰る道中ごと そのなわばりの仲間の鳥が
 あなたたちに家の方向を教えるようにしてあげるから」
 「やったー 鳥さんありがとう」

こうしてその後は道に迷うことなく家に帰ることができました。
でもどうしても行かなきゃならないとき以外は大きな舗装道路を避けて畦道や
山道ばかりを歩いたし、兄ちゃんの怪我もあったから それからまだ二日もかかっ
ちゃった。

それでね・・・巡礼の女の人たちをクマから助けたことが翌日の新聞にお弁当を
もらって食べてるボクたちの写真付きでデカデカと載っちゃったらしいんだ。
あとから聞いたんだけど、その記事を見て父ちゃんとママリンは抱き合って喜び
父ちゃんなんか札立峠へ(クマと格闘した峠)ボクたちを探しに行くって聞かな
かったんだって
「そんな動けないギックリ腰でなに言ってるの またヘリコプター騒ぎが関の山よ
 二匹を信じて家で待ちなさい」
ってママリンに諭されてやっと思いとどまったらしいよ。


「ねえ兄ちゃん なんで大通りを行かないの」
「舗装道路は足が痛くなるし 大きなトラックがいっぱい走ってるから怖いんだよ
 それにお前はそそっかしいから車に曳かれたら大変だろ」
ってね

五日目の午後 いよいよボクたちは懐かしい臭いのする我が家の近くにきていた。
「ジャック あそこにお寺があるだろう あそこで観音様にお礼を言ってついでに少し
 休んでいこう ここまで来ればもう大丈夫 だけど兄ちゃん足が痛くて休まないと
 もう歩けないよ」
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兄ちゃんの前足の傷が割れて、血がにじんでいる。見るからに痛そうだった。
「うん 兄ちゃんの足痛そうだね 舐めてあげようか」
「いいよ 自分でやるから」
ほんとうはボク 早く家に帰りたくて気持ちがそわそわしていたんだけど、ここまで来て
やっぱりボクだけ先には帰れないもんね。
注ーここは秩父札所一番の四万部寺 もう二匹の家はすぐそこ

そんなボクの気持ちを察したのか
「少し休んだからもう大丈夫 さあ父ちゃんとママリンの待っている家に帰ろう」
兄ちゃんがビッコをひきひき歩き出した。

それから30分 いよいよ家が見えてきたー
「兄ちゃん ボク先に行って父ちゃんに知らせてくるね」
ボクもお腹が空いてフラフラだったけど最後の力を振り絞って矢のように走った。

ワン ワン 父ちゃーん

デッキにいた父ちゃんはボクを見て
「ジャック おおー 心配してたんだぞー」
って抱きとめてくれた。父ちゃんの顔をペロペロしていると
タロ兄ちゃんはどうしたってキョロキョロ

「大丈夫すぐそこまで来ているよ」って教えたつもりでも父ちゃんにはワンワンとしか
聞こえないんだっけ
でも兄ちゃんの吠える声も聞こえたみたいで
「よかった よかった」ってもう顔がくちゃくちゃになってる。
(なんで今日の父ちゃんの顔はこんなにしょっぱいのかなあ)
ビッコを曳きながら歩いてくる兄ちゃんを出迎えるとボクたちを抱きしめて
「おーいママリーン タローとジャックが帰ってきたぞー」
って叫んでる。

もうボクはうれしくてうれしくってお腹が空いてることも忘れて父ちゃんに飛びついては
兄ちゃんと父ちゃんの周りをグルグルしちゃった。

                                  お終い


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みなしごジャックの大冒険第4話

山で迷子になった峰さんちのワンコ・タローとジャック
ジャックの強がりで家の方向とは反対に山を下りてしまい、あげく大猪には
追い掛けられるは散々な目にあってます。

ここからは兄ちゃん犬のタローの頑張り処。智慧と勇気を働かせ、なんとか家に
帰ろうと血の繋がりはなくとも固い絆で結ばれた義兄弟が力を合わせて頑張ります。

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「ねえ兄ちゃん、ウチの山里より少しさみしいけど、なんだかこの里はボクたちの
 里に似ているね」
「たしか父ちゃんと以前きたときも今頃の季節だったよ。ほらこの段々畑の畦道を
 父ちゃんとふたりで散歩したのさ。この先に今は空き家になっている家があるから
 そこの物置にでも今夜は寝かせてもらおう」

二匹がその空き家を目指し、畦道を並んで歩いているとモミジの木の下におばあさん
らしい人影が

「兄ちゃん、あそこにおばあさんがニコニコしながら立っているけど・・・
 ねえ、あれってこの世の人じゃないよね なんだか怖いよー」

「ジャックにも見えるか 確かにオマエの言う通り もうこの世の人間じゃないけど
 大丈夫だよすごくやさしいおばあさんの幽霊だから もともとこの畑と今夜泊めて
 もらう物置の持ち主だった人さ」

注ー前回タローが大地や木の発する気を感じとって・・・と書きました。
我々人間は「言葉」という手段を発明しました。たしかにそれはコミュニケーション
の手段としては非常にすぐれた方法です。ですが同時に我々はそのことに頼り過ぎて
本来生き物がもっていた能力を失い、または忘れ去らせてしまったのではないのでしょうか。
と、思いつつ便箋上 動物たちにその言葉をしゃべらさせているのですが。


「ほら、挨拶をしてごらん」
兄ちゃんに言われてボクは恐る恐る挨拶をした。

「おばあさんこんばんわ・・・今夜はここに泊めてもらうのでよろしくおねがいします」
「あれー オラのことが見えるんかい まあまあ二匹とも可愛いワンコだねー どうした
 んだい飼い主さんはいないみたいだけど迷子かい」
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「あれ・・・大きい方のワンちゃんは前にもウチに来たことがあるねえ」
「おばあさんこんばんわ 覚えていてくれたの」
「覚えてるともよー 飼い主のおじさんも勘のいい人であたしやあたしの旦那の気配を
 察してくれて はあーそりゃー感心したもんだったかんなー」
「その父ちゃんと あの山に登りにきたんだけど父ちゃんがぎっくり腰になっちゃって
 ヘリコプターに乗せられてっちゃったから ボクたちは歩いて帰ることになったんだ」
兄ちゃんが畑の向こうに見える城峰山を振り向きながらおばあさんに説明しました。

「まあそれは難儀だない それじゃあ あんたらの帰り道とウチは反対方向だんべえ
 ほら あんたたちの家はあの山の向こうで秩父の盆地を挟んだ向こう側の山だよーん
 今夜はもう遅いからウチで体を休めて あしたの朝帰りない」

ええーん やっぱりボクが方角を間違えてたんだあ、でもラッキーやさしいおばあさんの
幽霊に出会えて家の方向を教えてもらえたよ。
安心したらなんだかお腹が空いてきちゃったよー この世の人じゃないから食べ物は
もらえないよねー

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注ー10年前にNHKスペシャルで放送された「秩父山中花のあとさき ムツばあさんの遺したもの」
小林公一・むつ夫妻 いまはおふたりとも亡くなられてしまいました


その晩 ボクと兄ちゃんはおばあさんちの物置、その縁の下でくっつかって眠った。
(父ちゃんの腰は大丈夫かなあ ボクのせいでごめんね
やさしい父ちゃんに抱っこしてもらう夢をみました。

翌朝はやくにボクたちは出発した。舗装道路は足の爪がすり減って嫌なので途中から
また山道を行くことにしたんだ。
「兄ちゃん 昨日の猪は出てこないかなあ」
「うん ヤツの臭いがあっちこっちにするなあ はちあわせしないように気をつけよう」

それにしてもお腹が空いたよう 兄ちゃんはその辺の草をムシャムシャ、ボクはバッタや
カマキリを捕まえては少しでもお腹の足しにしようとしてるんだけど
山の中を一日中歩きまわってもうフラフラ またいつの間にか夕方になっちゃった。
「兄ちゃん今夜も野宿だね」

二日間ふたりでそっちじゃないよ、あっちだこっちだと山を歩きまわって三日目の夕方
山の中のお寺の前を通ると「ここは前に父ちゃんとお参りにきたことがある」
って兄ちゃんが言いました。
「今夜はこのお寺の裏の軒下で寝よう」
もう三日もろくに食べてないし、ふたりともフラフラだからすぐにバタンキューって・・・

すると夢なのか現実なのか背中からいっぱい手が生えた観音様が現れて
「君たちのお父さんやお母さんがすごく心配しているよ 帰り道はこの寺の前の沢を登って
 峠を越え、下ったら川が二本あるからそれを渡った向こうのお山の方だよ」
と教えてくれたんだ。本当だよ兄ちゃんも同じ夢をみたんだから。


さあ いよいよ次回は感動の最終回 お楽しみにねー


 

続々みなしごジャックの大冒険

こんにちは実話と寓話の入り交じった今回のお話し、今日で第三話です。

父ちゃんと城峰山の登山に出掛け迷子になったタローとジャック、さぁどんな冒険が
二匹を待ち受けていたのでしょう。
城峰山頂から彼らの家までは直線距離にしてわずか約15kmですが、当然山国秩父
のこと、山あり谷あり、そして盆地の中央は荒川が二匹の行く手を大きくさえぎって
おるのです。

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「ジャック、歩いて帰るってオマエ家までの道が分かって言ってるんか」
タロー兄ちゃんがちょっと意地悪な口調でボクに言ってきた。
イイコ振ってて父ちゃんのご機嫌取りが上手な兄ちゃん、だから叱られるのはいっつも
ボクばっかり。
このときはそれが悔しくって
「ヘンだ、そんなの分かってらい 兄ちゃんは黙ってボクについてくればいいんだよ」
思わず強がりを言っちゃった。
本当は車に乗ってきたからオシッコで臭いの目印も付けられず帰り道の方向なんて見当
もつかなかったんだ。

「へえーそんならそうさせていただくから、お利口のジャック君がオイラを家まで案内して
 くんな」
また兄ちゃんが皮肉たっぷり、引きつり笑いをしながらボクに言った。
ああーん強がり言うんじゃなかったよう。
もうやけくそ 登ってきたんだからとりあえず下ればいいや。
「ホラ兄ちゃんこっちこっち 駈けっこならボクに敵いっこないんだから遅れないでね」

蔦や熊笹の生い茂る藪を掻き分けて山を下りること約2時間 強がってはみたけれど
本当にこっちでよかったのかなぁ・・・なんだか頭の奥で(違うぞー)って声がする。
兄ちゃんは黙ったまんまだし、だんだん心細くなってきちゃった。
「ねえ兄ちゃん 道間違ってないよね」
「・・・・」
「兄ちゃんってば 黙ってないでなんとか言ってよ」

「道ってこのヤブ漕ぎの何処に道があるんだよ 素直にもう降参しなジャック」
もうアッタマにくる
「じゃあ兄ちゃんは帰り道知ってるのかよー」
「知らない」
「ええー じゃあ帰れないじゃんか ワーン

「ジャックこれから父ちゃんや兄ちゃんの言うことをちゃんと聞くか?うんって返事を
 すれば兄ちゃんが一緒に連れて帰ってやるよ」
「だってさっき兄ちゃんは道知らないって言ったじゃん」
「道は知らないけど、絶対に帰ると念じれば自然に帰る方向が分かってくるんだよ」
「ほんとう?」
「ああー ほんとうさ」

ヤッターやっぱり兄ちゃんは凄いや。でもなんで ねえなんでなんで
念じるだけで分かるのー

「もう世話が焼ける弟だなー 念じただけで帰り道が分かるわけがなかんべ」
ボクは思わずズッコケた。兄ちゃんはそれを見て
「こころを落ち着けて臭いや音の五感すべて いやそれだけじゃなくて大地や木の発する
 気までを感じ取って今居るオレたちの場所と家の方向を探りだすんだよ」

「さっすが兄ちゃんすげえー ボクあらためて兄ちゃんを尊敬しまーす」
うれしくなって思わずボクは兄ちゃんの鼻をぺロッて舐めちゃった。

「あっ!!兄ちゃん 舗装道路が崖の下に見えるよ これで藪ともおさらばだね」
「待て、ジャック やばい予感がする なんか後ろから臭わないか」

兄ちゃんが言い終わる前にボクにも分かった。もうすぐ後ろでブヒ・ブヒーって荒い
鼻息も聞こえ、兄ちゃんの倍以上もあるでっかい大猪が突進してきていた。
本能的にボクたちは身の危険を察知し
「逃げろー」って左右に散って崖をころがるように逃げた。
大猪は崖の上で止まってそれ以上は追いかけてこず
「ワン公 ここはオレ様の縄張りだー 今度きたら只じゃおかねえぞー」
って怒鳴っていた。
片方のキバが真ん中で折れ頬に傷のある見るからに人相じゃないや猪相の悪いヤツだよ。
あーびっくりした。

舗装道路をトボトボ兄ちゃんと並んで歩いた。いつの間にか辺りはもう薄暗くなっていた。
「兄ちゃん、今夜中には帰れそうもないね」
「今夜どころか明日だって明後日だってわかんないぞ。長期戦を覚悟しろよジャック
 とりあえず今夜はこの先に人里があるはずだから誰かんちの物置の軒下でも借りて
 寝よう」
「なんで人里があるってわかるの兄ちゃん」
「さっきから微かに人の臭いがするし、段々それがはっきりしてきた それにこの空気の
 臭い 以前に父ちゃんと来た覚えがあるんだよ」
注ー2010/10/16から3回に渡り当ブログに載せた「山のおばあちゃんシリーズ」
   秩父市吉田太田部の里
 

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あらあら、ジャックの強がりのせいで帰る方向と反対側に下りちゃったみたいです。
タロ兄ちゃん、ちゃんとジャックを連れて帰ってきてくれよう。

はあ今夜はここまでだよ まだまだ冒険の旅は続きそうですね。

続・みなしごジャックの大冒険

みなさんおはようございます。
ボクはみなしごジャックです。 夕べは良く眠れた?
夜は寒くなってきたけどボクはタロ兄ちゃんと一緒に我が家で安心
グッスリ眠れました。

さて、昨夜はどこまで話したんだっけ?・・・そうだボクがこの家の仔に
なったいきさつだよね。
とにかくあれから一年が経ってボクはすっかりこの家の仔になりました。
もう人間でいえば中学生か高校生くらいのやんちゃざかりの年頃だよ。

庭に穴を掘ったり、ときどきタロ兄ちゃんとのプロレスごっこで悪ふざけ
しすぎたり、それから居間の食卓のお皿のお肉なんかを我慢できずに
ペロッと頂こうとすると父ちゃんにアタマをぶたれて
「こらステゴのジャッキー、こんどやったらほんとに山に捨てちゃうど」
なんて怒られてるけどヘッチャラ、だってみんなボクのことが可愛くて
仕方ないのを知ってるもんね。

 (以下は創作、作り話です) 
でも半月くらい前に山でタロ兄ちゃんと一緒に遭難した時はホントにマイッタよ
よく晴れた朝、父ちゃんが仕事から帰ってくると
「いい天気だなぁ どれお前たち久し振りに山登りに行こうぜー」
とかなんとか言って車に乗せられたんだよ。
30分以上馴れない車に乗っていたからボクは少し車酔いになっちゃった。
兄ちゃんはなんで平気なんだろ?山のふもとに着いたらボクはフラフラだった。

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父ちゃんの変なラジオ体操が終わると
「イザ、あの山の頂上目指してがんばろうな。あの山は城峰山っていって標高
 約1000m、頂上に展望台があるからそこでお弁当じゃー タロべえは前にも
 登ったことがあるから憶えてるだろ」
と、登山が始まったんだ。そして山道をエッチラコッチラ約一時間、父ちゃんは
疲れてくると
「ホレ、タロべえ&ジャックもっと引っ張ってくれー」って
まったくずるいんだから。でも普段の家の周りの散歩とちがって楽しかった。

ボクはきっと猟犬の血筋だと思うんだ。そんな風に山に行くと血が騒いじゃって
思わず獲物を探して臭いや音、それから動くものにすごく敏感になっちゃう。
駈けっこだってドタバタ走るタロ兄ちゃんなんかと較べものにならないよ。
それこそ矢のように走れるんだから。

それでね、尾根道から雑木林の中を気にしていたら何かがさっと木の間を横切った
ボクは思わずそっちに駆け出しちゃったわけ。そしたら父ちゃんが
「イテテテー、こりゃジャック急に向きを変えやがってオラ腰をひねっちまったどウーン」
てその場にうずくまっちゃったんだよ。
「父ちゃんだいじょうぶ」ってそばに行ったら
「やべーなこりゃ、ぎっくり腰をやっちまった」と言って動かなくなっちゃった。
だいじょうぶかなぁ 父ちゃん もう1時間以上もここに寝そべってるけど

「タローとジャック ようくお聞き この分じゃオラもう歩けないから救助のひとを呼ぶ
 かんな。車に戻ればなんとか運転はできるかも知んないけど、そこまでお利口に
 ついてくるんだよ」
幸い携帯の電波は通じるみたいで父ちゃんは119番しました。

「救助の人がくるまで時間があるから、ホレ荷物を軽くすんべえ」と言って父ちゃんは
リュックからおにぎりやボクたちのおやつを出すとボクと兄ちゃんにくれました。
お水も貰って一息つくとそのうちにレスキューの人たちが登ってきた。

「峰さんですか?どうですか少しは歩けそうですか」
「いやーお騒がせして済みません それが情けないことに立つこともできないで
 困ってます」
しばらくレスキューの人たちが父ちゃんの容体を確認したり、無線したりしてました。
そして
「この少し上に林が開けてますからヘリを呼びましょう そこまで担架で運びますから」
「犬がいるんですけど、なんとか下の登山道まで担架でおろして頂けないでしょうか」
父ちゃんはボクたちのことを心配してレスキュー隊員にお願いしましたが
「峰さん、この急坂を担架であなたを担いで降りるのは我々にも酷と言うもんでしょう
 犬はどこか適当な場所に繋いでおきますから誰かお知り合いに引き取りにきて貰って
 ください」
ということになっちゃいました。
そして父ちゃんは担架に乗せられるとレスキューの人に担がれ、ヘリコプターというボクに
とっては鼓膜が破れそうな爆音のする空飛ぶオバケに乗って
「ママリンがきっと迎えにくるから君たちイイ子で待ってるんだぞう」って行っちゃった。

ボクはそのときにあまりに怖くて暴れたもんだから首輪が抜けて山の中に逃げちゃった。
タロ兄ちゃんは大人しくしてたけどボクのことが心配で、やっぱりリードを持っていた
レスキューさんを馬鹿力で引っ張り振りほどくと追いかけてきてくれたんだ。
 
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「ジャック、父ちゃんが大人しくママリンを待ってるように言ったのにダメだぞ どうすんだよ
 こんなとこで迷子になって」
「だってあんなオバケみたいな乗り物おっかなくてしかたなかったんだもん 歩いて家まで
 帰ろうよ兄ちゃん」

さーこれから一週間かけて大好きな父ちゃんとママリンの待つ家に帰りつくまで、ボク達を
どんな冒険が待ち受けていたのでしょう 次回のお楽しみだよー

以下作者の追記
タローはホントにしっかりものの兄ちゃんでジャックの面倒をよくみてくれます。
これまで8年・父ちゃん&ママリンを独占しのんびり生きてきましたが、昨冬はやんちゃ
ジャックの子守りで神経を遣ったせいで30k強あった体重が春の検診でゲッソリ23k
と激やせし「おまえも遂にヨボヨボジイさんか」と心配しちゃいました。
でも今ではジャックのイタズラにも慣れ、体重も元にもどり元気復活です。
 
タローのどこが利口かって、庭の穴掘りやときどきリードが離れてジャックが脱走すると
父ちゃんの代わりに叱ってくれるんですよ。テーブルの上のご馳走も許可なく失敬なんて
ことはジャックと違って絶対にしません(笑)でも好物の豚の骨の時だけは別
「ホレ返せ」なんてかまったら大変「ううー」って唸って飼い主でもそばに寄せ付けて
くれないホントは食い意地のはったヤツです。
じゃれてるときは必ずジャックに組み敷かれ負けた振りをしてますが、ときどきジャックのおやつ
を横取りします。この時ばかりは本気で向かっていくのでさすがにジャックも尻尾を股に挟んで
小さく震えてます。
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アキノキリンソウとツワブキの黄色い花そして今年の春に姉から貰った白いシュウメイギク
が咲いてました


みなしごジャックの大冒険

久し振りの創作短編です。
忘れてたけどヨッシーのペンネーム、今夜は「峰 正春」先生(笑)が晩酌を
しながら、そのおつまみのおこぼれをちょうだいとじゃれつくウチのワン公
ジャッキーを題材に書下ろしました。
名付けて
 「みなしごジャックの大冒険」です

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ボクの名前はジャック、小さいときでよく憶えてないんだけど、どうもボクは
捨て子らしい。
だから母ちゃんのことも元の飼い主のことも今は全然思い出せないんだ。

いまの飼い主、ボクは父ちゃんって呼んでるけど、その父ちゃんやラブラドール犬
の兄ちゃんと遊んでると、時々ボクがこの家の仔になったいきさつを聞かせてくれ
るんだ。

なんでだか知らないんだけど、ボクは生まれてまだ二ヶ月くらいの時に母ちゃんから
無理やり引き離され、車に乗せられて秩父の駅に捨てられちゃった。
もうあたりは真っ暗だし、家への帰り方もわかんないからクーンクーンって泣いて滅茶
苦茶にその辺を歩いてたらしい。その内お腹も空いたし喉も渇いてきちゃった。

「母ちゃーん 助けてよー」いくら叫んでもだーれも振り向いてくれないし、でっかい
野良猫には虐められるわでもうヘトヘトだったんだ。
とうとうボクは力尽きそうになって大きい柱に寄り掛かってたら
「おっ、坊主どうした?迷子かい」ってやさしい声を初めて掛けてくれる人間がいた。
とにかくお腹が空いてたんでその人の手をペロペロしてたらラッキー、おやつを貰えた
よ。でもそれだけ・・・「早く自分ちへ帰んな」って追い払われそうだった。
そしたら「ブウウーン・キキー」って車が僕たちの傍に止まって
「おっ、どうしたんですか、可愛い子犬ですね」って変なオッサンが声を掛けてきた。
それがいまの父ちゃんさ。

「お前、迷子か捨て犬だろ、おじさんが仕事終わるまでここにいたらウチに連れてって
 やろうか?」なんて言ってた。
ボクは(やーだよ、母ちゃんのところへ帰るんだい)と思ってその場から逃げたんだ。
そして繁華街をウロウロし、なんだかお肉の焼けるいい匂いがする店のドアの前で
「お肉食いたいなぁ、もう一歩も歩けないよう」ってうずくまってた。
そしたらさっきのオッサンが「みなしご見ーつけた」って追い掛けてきたんだよ。
もうボクは逃げる気力もなくて結局そのオッサンの車に乗せられてなんだかさみしい
山の中のそのオッサンの家に連れて来られちゃった。
そしてビックラこいたのはボクの何倍もあるデッカーイ犬が玄関で尻尾を振ってオッサン
とボクを迎えたことだよ。
もうボクは怖くって思わず尻尾を股の間に挟んで小っちゃくなってたのを憶えてる。
でも図体の割にすごくやさいしい犬だってすぐにわかった。だってボクの顔をぺロペロ
舐めたり、お尻をクンクンしながら「遊ぼう」って言ってくれたんだもん。

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それからオッサンの奥さんらしい女の人が出てきて
「どうしたの、Σ(゚∀゚ノ)ノキャーヤダー子犬なんか拾って来ちゃってーどうすんのよー]
とかなんとかその晩は大騒ぎになっちゃった。
今じゃボク、この奥さんのことを「ママリーン」って呼んでるんだけどね。

今夜はもう眠くなっちゃたからこの辺でね。
さーてヨッシー家の家族になったボクの大冒険っていったいどんなことだろうね。
続きは次回のお楽しみだよー

ホントは大好きな父ちゃんと一緒に部屋で寝たいんだけどママリンが許してくんない
から
兄ちゃんと一緒に小屋に行って寝まーす。

おやすみ☆GOODNIGHT☆(;д;)



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プロフィール

ままタクシー

Author:ままタクシー
秩父つれづれ日記へようこそ!
記事担当のヨッシーです。
乗務員歴6年(H22年7月現在)
ウチの会社では中堅ドライバーになりました。
明るくやさしく安全運転をモットウに日々頑張ってます。
趣味:音楽鑑賞 カメラ
   愛犬とブラブラ散歩・ゴルフ
   読書と書くこと
秩父に行ってみたくなる記事、
なんとなくホットする記事を
更新していきたいと思います。

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