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jaranpon-その3

「ジャランポン祭りのお話しを考えて書きます」
なんて気軽に宣言したまでは良いのですが、イザ、書き始めたらそんな簡単には
済みそうもなくてケッコー気力が要るのには参りました。
今回で完結出来るかなぁ

  jaraーnn・poーn

さて、それから幾日か経った祭りの当日。両親に連れられて祭り会場の下久那公会堂
まで、下り坂を歩いて行った。
ジャランポンは夕方からで、春の午後の陽射しが暖かく、あの時の、風に運ばれてくる
段々畑の梅の花の香りは今でも鮮明に憶えている。

途中で友だち数人と合流した途端、僕は初めての「葬式祭り」への期待で胸が高鳴り、
ワァーっと叫んで駆け出していた。

会場の公会堂を窓から覗くと、ガンさんは白装束を着せられ頭には三角頭巾の鉢巻を
した格好で棺桶のへりに腰掛けていた。そして手にした一升瓶を時々ラッパ飲みしている。
お坊さん役の小吉おじさんは立派な袈裟懸けを纏い、本物のお坊さんのように見えた。
だけど、周りの小坊主役のおじさん達の袈裟は唐草模様の風呂敷で、それぞれ手にはシン
バルみたいな楽器や鐘、木魚を持っており「ジャララーン・ポクポク・チーン」と、
思い思いに鳴らして遊んでいた。

「ジャララーン・ポクポク・チーン」・・・
窓枠に顎をのせて中の様子を見ていた僕に突然ヒラメキがはしった。

「そうか!!あのシンバルみたいな道具の音が祭りの呼び名になったんだ」
ひとり合点がいき、運良く隣りに居合わせた当時僕らの憧れのマドンナだったミッちゃんに
得意になって教えた。

「ウソ、そんなことも知らなかったの。そっか、ツヨシくんは東京から越して来たアオボーズ
 くんだもんね。それよりもあの木魚を叩いているのがワタシのお父さんなの。ヤダ、酔っ払っ
 て顔が真っ赤よ。もうサッイアクよね」

なんだか肩透かしを喰らったみたいでガックリしている僕に気が付いたガンさんが、一升瓶を
かざして手招きしていた。
誰かが「ギャー、オバケに見つかったー」と騒ぎ出すと、もう僕たち子どものエネルギーは
止まらない。
ガンさんは既にかなり酔っ払っていて、傍の位牌を持って立ち上がるとキョンシーの真似を
しながらピョンピョンと僕たちに向かって歩いて来た。
キョンシーが近づくと位牌の文字がハッキリと読めた。
 
 「悪疫退散居士」  確かにそう書いてあった。

僕らは「悪霊キョンシーに取り憑かれるぞー」  大騒ぎして逃げるフリをしながら、
しかし逆に公会堂の中になだれ込んで行った。


 読者の皆様、ゴメンナサイ 今日もここまでが気力の限界です。
 (って言うか、根気良く読んでくれてる皆さんの方が限界だよねえ)
 
 まぁそんな事言わずに次回、完結篇までお付き合い下さいね。


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ままタクシー

Author:ままタクシー
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記事担当のヨッシーです。
乗務員歴6年(H22年7月現在)
ウチの会社では中堅ドライバーになりました。
明るくやさしく安全運転をモットウに日々頑張ってます。
趣味:音楽鑑賞 カメラ
   愛犬とブラブラ散歩・ゴルフ
   読書と書くこと
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