怪談「夏の夜のタクシー客」

ヨッシー劇場のハジマリハジマリ~

(*^o^*)オ(*^O^*)ハー 秩父つれづれ日記・ヨッシーです
オイラも日本の節電に協力します。ヤッパリ暑い夏は怪談話しでゾゾゾっと涼しくなるのが
イチバン。予告通りひと晩掛かってコワ~イお話しを創作しました。
タイトルは 「夏の夜にタクシーに乗ってきた美人幽霊さん」 です。
さて、周囲を山々に囲まれた秩父の盆地。お盆になりますと都会へと出た大勢の若者たちが帰省
してまいります。タクシーもここぞと稼ぎ時、秩父駅の真ん前にあるマルツータクシーの運転手
さんたちも張り切ってます。
普段は涼しい場所でサボってばかりのヨッちゃんなんか、ネジリッパチマキ(笑)して駅前で
タクシーに乗り込むお客さんや無線での配車指令を順番待ちしてましたとさ。
やがてお陽さまも両神山の稜線に隠れる頃、鍋底みたいな盆地特有の夏の熱気も和らぎ、
山からは涼やかな風がサササーと吹き降ろす夕方。
普段なら一日で一番暇になる時間帯です。お客さんを待ちくたびれた運転手どうし
「今日もダメだなぁ、帝王はいいなぁロングの仕事に当たったんだろ?オラさっぱりだったい」
なんて愚痴を言い合ってます。(帝王は社内だけで通用するニックネームです)
ですがその日は違った。迎え盆のこの日はほとんどのご家庭ではお墓に行きましてご先祖の霊を
提灯を点して迎えます。或いは遠くてお墓に行けないお宅は玄関先の角で同じように提灯での
お迎えをするのです。
市内高台にある大きな墓地、聖地公園などはそれはもう大変な混みようで交通整理の警備員さん
も汗だくでグッタリ。タクシーの要請もひっきりなしに電話がなって「配車する車がないぞー
オーイいつまでも休憩してないで車を出してくれー」なんてテンヤワンヤの大忙しでした。
やがてその混雑も一段落した夜の10時近く、その聖地公園の公衆電話からツルルーと一本、
マルツータクシーへコールがありました。 オオー

その晩の当直電話番さんがすかさず応じます。
「ハイ!ありがとうございますマルツータクシーです。お客様はどちらへお迎えに上がりますか?」
ヤッパリそうなのね

普段ならこんな夜更けに電話など絶対にならない場所なのですが、大方、迎え盆の遅くなった人かな?
GPS監視装置付きハイテク配車システムで電話番さんPC使って配車指令しちゃいましたとさ。
さぁて、運が良いのか悪いのかヨッちゃん(^Д^)が駅前の先頭だったんですねえ。
丁度着いた電車からお客さんが歩いてくるのですが、無線と連動する配車指令機がピンポーン
って鳴っちゃいました。その歩いてきたお客様を後者に譲ったのが運のツキー
指示データを読んで「マジこんな時間に聖地公園の電話ボックスかよ。何なに?お客様の名前は
さくら様ってか・・・まさかなあ」チョットゾクゾクとしながら車を墓地に向けました。
(因みにこのさくらちゃん・以前サラリーマン時代に通ったキャバ嬢から名前をシッケイ

オットヤバイ・カミさんには内緒だよ

夕方の混雑は去り、すっかり人気のなくなった聖地公園。暗がりの中にポツンと電話ボックスの
明かりが見えます。
「おかしいなぁ、だぁれも居ないじゃんか」
指示された電話ボックスの前に停車して辺りを見回しました。
「イイヤ・・・一服して待ってよ」
車外は思いの外に風がヒンヤリ「立秋も過ぎると秋の気配がするなぁ」
チガウンだよ霊気の冷気なんだからもうヨッちゃん鈍感ですねえ(笑)
意外とノンキなヨッちゃん、待つことしばし・・・するってえと向こうの暗がりから青っぽい
ワンピースを着た女の人が歩いて来るのが見えました。
ホッとして声を掛けようとしたら・・・アレっ消えた???
「オイオイよしとくれよ

タバコを携帯灰皿で消して、タクシーに戻ろうとした瞬間・肩に触れたヒンヤリ真っ白いお手々
「ギッヤア~」
哀れヨッちゃん腰が抜けちゃいました~
それは長い髪の綺麗な女性が怪訝そうな顔をして腰抜かしたヨッちゃんのこと見下ろしてます。
「ヤッダァもう幽霊じゃないよう!!ホラ・アンヨだってちゃんと二本生えてるでしょ」
只でさえ短いミニのスカートを更にたくし上げて綺麗なアンヨを見せてくれました。

「ハアハア、もうビックリしたなぁ・・・お嬢ちゃんも人が悪いや。場所が場所だけにもう
驚かさないで下さいな」
それから目的地の郊外のお宅に着くまで車中、楽しい歓談で盛り上がりましたとさ。
「キャァ!!やっだぁ今どきお化けなんて居るわけないでしょ。おじさん可愛い」
ときたもんだ。ヨッちゃん思い掛けず綺麗なお客様を乗せ、さっきの失態も忘れてご機嫌

「良かった、優しい運転手さんで

払いますから、ちょっと待ってて下さいね」
にっこり笑顔でそのお宅へ入って行きました。しかし待つこと5分、一向に支払いの人が出て
くる気配がない。
待ちきれなくなったヨッちゃんは玄関のチャイムをピンポーン 家の中から
「ハーイ どなた様?」
「夜分恐れ入ります。タクシーの運転手ですが、先ほどお連れしたお嬢様の料金を頂きたい
のですが」
「


「いいえ~ 確かに先ほどこちらのお宅へお連れしてこの玄関へ入って行きましたが」
ヨッちゃん最初からの経緯を冷や汗して説明します。これに気が付いた旦那さんも玄関に
出て来て黙って聞いてます。
「あなた、まさかあの娘」
「そうそう名前はさくらさんと言ってましたよ」ヨッちゃんダメ押しです。
「運転手さん・・・どうぞこちらへお上がり下さいまし」
ヨッちゃん家の中に招かれて盆棚を設えた10畳の和室に通されました。
冷たい麦茶なんぞで接待されてますと、奥から旦那さんが何やらアルバムのような物を
「運転手さん、もしや乗って来たのはこの娘でしょうか?」
一枚の写真を見せられます。
「アアーハイハイ、間違いなくこの娘さんですよ。ご入浴中ですか

「この娘は昨年秋に病気で亡くなりました。今年が新盆ですのよ。タクシーに乗って
盆帰りなんて、病気にもメゲズ最後まで茶目っ気たっぷりだった娘らしいですわ」
「ちょっとーやめましょうよ家族中でタクシー運転手にいたずらするのは、ねえお父さん」
だがその旦那様の目から泪がツツーっと
「チョ・チョットマジー」今度こそ本当に腰が抜けちゃったヨッちゃんでした。
それから暫くその「さくらちゃん」の想い出話しを聞いてあげて、勿論タクシー代の他にも
チップまで沢山頂きました。それで少し気持ちも落ち着いたヨッちゃん
「これも何かのご縁かと、盆棚にお焼香させて下さいな」
先ほど頂いたチップから千円札を一枚取り出してポチ袋に入れお供えしましたとさ。
お線香を立てて合掌しながらアルバムのさくらちゃんをちらっと見ますと、なんと可愛い
舌をペロっとして

さあもう夜中の零時に近いですよ・・・帰り道、真っ暗な夜道の運転が心細いこと
「でもあんな綺麗で可愛い幽霊ならもう一度逢いたいなあ」
(もう喉元過ぎればすぐにこれだかんねぇ、まったくヨッちゃんノー天気)
さくらちゃんの顔を思い出しているとアラアラ・上品なお香とコロンの香りが車中にポワ~ンて
「イヤイヤもう降参だよ~」

「ふふふ~ん」
若い娘の笑い声が後部座席から聞こえてくるような~
ちゃんちゃん
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No title
ちょっと、、マヂですか?
鳥肌がたってしまいましたよ。
まぁ何と言うか結果、良いことをしたんですかね?
身震いもありつつ、少し心も暖まる様な不思議な感覚でした。
・・・にしても色んなお客さんがいるんですねぇ。
鳥肌がたってしまいましたよ。
まぁ何と言うか結果、良いことをしたんですかね?
身震いもありつつ、少し心も暖まる様な不思議な感覚でした。
・・・にしても色んなお客さんがいるんですねぇ。
No title
こんにちは(^^)
お盆の季節はお客さんが多いんですね~
本物を乗せないようにね~(笑)
お盆の季節はお客さんが多いんですね~
本物を乗せないようにね~(笑)
もうすぐお盆ですね
さすがに明るく 優しくがモットーのヨッシーさん
幽霊にも優しいのですね。
若い幽霊さんだけでなく ご高齢の幽霊さんにもやさしくね
ところで 夕べのチップ木の葉に変わっていませんか?
あまり欲をかかないでね
もうすぐお盆 ご先祖さまの霊をお参りしましょうね。
幽霊にも優しいのですね。
若い幽霊さんだけでなく ご高齢の幽霊さんにもやさしくね

ところで 夕べのチップ木の葉に変わっていませんか?
あまり欲をかかないでね

もうすぐお盆 ご先祖さまの霊をお参りしましょうね。
大拍手
ヨッシーさん
幽霊談・すごーくおもしろい
読んでいて次は・・・・どうなる?
楽しませてもらいました
次回の幽霊談も楽しみにしています
でも、あんまり考え過ぎると夢に出てくるかもね?
幽霊談・すごーくおもしろい
読んでいて次は・・・・どうなる?
楽しませてもらいました
次回の幽霊談も楽しみにしています
でも、あんまり考え過ぎると夢に出てくるかもね?
ゆうらいどら様
ヒッヒッヒー
ヨッシーの思惑通りハマってくれましたね。
もっとオッカナイ話しにしようかなぁと思ったけれど、夏休みで
お子様も見るかもしれないのでちょっと抑え気味にしました。

もっとオッカナイ話しにしようかなぁと思ったけれど、夏休みで
お子様も見るかもしれないのでちょっと抑え気味にしました。
とあ様
大丈夫なんですよ!!
ヨッシーは鈍感だから幽霊が一生懸命「うらめしや~」ってサイン送っても
気が付かないし見えないんだから
でもウチのカミさんは見えちゃうみたいですよ
ヨッシーは鈍感だから幽霊が一生懸命「うらめしや~」ってサイン送っても
気が付かないし見えないんだから
でもウチのカミさんは見えちゃうみたいですよ

bukoーsakado様
お話しとしてはヤッパリ若くて綺麗なお化けでしょ
あんまり幽霊話し考えてるとホンモノに出会っちゃいそうで
そうでなくても田舎道の深夜は真っ暗でオッカナイんだから

あんまり幽霊話し考えてるとホンモノに出会っちゃいそうで
そうでなくても田舎道の深夜は真っ暗でオッカナイんだから