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夫婦で秘境探検(3)

さて、今回のシリーズ最終回です。
始めにお断りしておきますが、この記事を読むなりして今回紹介する
廃墟に興味をもたれ訪れようと思われた方、道路からの撮影や取材は差支え無いと
思いますが、くれぐれも無断で鉱山の敷地や居住区跡地に踏み込むことの無いよう
にお願い致します。
どうしても間近で取材をされたい方は鉱山の許可を必ず得て下さい。

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それは八丁トンネルへと通ずる小倉沢の狭い峡谷の道筋に、かつては3000人の人たちが
暮らしていたという鉱山社宅跡地が、急な斜面やそれを削り取り造成した僅かな平地に張り付く
様に転々と連なっていた。

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かつてはここに学校、病院があり商店街があり、映画館までもがあったそうである。

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いささかロマンチストではあるかも知れないがヨッシー、目をつむりその時代へ想いを
馳せれば それは当て布をした兄や姉のお下がりの洋服を着て、赤いほっぺと鼻を垂らした
子どもたちの歓声が聴こえてくるのです。

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ここはもと銭湯、壊れたドアの奥に湯船が見えます。
どうですか、あの頃のある日の夕方・・・鉱山・坑道の奥での勤務を終えた親父が
やはり土埃りで真っ黒のわんぱく坊主と連れ立って背中を流し合う姿が浮かんでは
こないでしょうか。
 
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秩父弁や上州訛りなどは少し乱暴に聞こえる言い回しや響きがあります。
そしてあの頃、親父はもとより母親や廻りの大人たち全てが子どもたちからすれば
おっかない存在だった。
恐いんだけど「オイ、坊主一緒に風呂行くべえ」などと父親から声を掛けてもらうと
それがうれしくてうれしくて、だけどそれを顔に出すのは妙に気恥ずかしくて・・・
自分はもっと平野部の育ちだったが、田舎の子どもはみんなそんなシャイで純粋だった
ような記憶がよみがえってきました。

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前回方丈記を引用いたしました。続きです。

たましき都のうちに 軒をならべ 甍を争える 高き いやしき 人の住まいは
世々を経て 尽きせぬものなれど これをまことかと尋ねれば 昔ありし家は稀れなり

そして平家物語 
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

とつづき自らの(夫婦)の行く末と現在暮らす山里の我が家の行く末に想いを巡らすので
あります。

間違いなく50年後に我ら夫婦の存在はこの世にはないだろう。
いやいやお気楽ヨッシーは生きてるかもよ(笑)ってオーイ

そして好きなように生きさせたいふたりの子供たち夫婦やその子孫がここで暮らすことも
考えられず、この家も今日見た廃墟のようになっているのか、あるいは跡形もなくなって
いるのか。
だが、もしかしてその頃にこの山里を訪れるものがあり、我々のような感受性を備えていた
ならば・・・
「ここに50年前、仲の良い夫婦が豊かではないが、睦まじく二匹の犬とともに暮らしていた
 んだとさ」
それを感じ取ってくれればそれで良くないかい?
そしてそのような若者がまだこの国に残っていたならば、大丈夫だよ日本は

なんぞといつの間にか普段の悪行を棚にあげて、カミさんに説教を垂れてるヨッシーでやんした。

八丁トンネル越えは峠道がアイスバーンとなり、カミさんの静止を忠実に聞き入れて引き返すこと
にしました。 (ひとりなら間違いなくチャレンジしちゃってたんだろうなぁ)

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鉱山があるだけに銅や鉄分を多量に含んだ岸壁は酸化し赤っぽい
流れ落ちる滝もその色に染まり凍り付いていた。

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先日載せましたが調子の悪かったCDデッキを新調し、しばらく再生できなかったSACD
(スーパーオーディオCD)を順繰りに聴いております。
今日、この文章を書きながら聴いていたのは綾戸智恵さんのアルバム「TO YOU」
特に2曲目の「I GOT A NAME」と3曲目の「imagine」がこの廃墟に
触れ、少し感傷気味の気持ちに凄くフィットしてしまいました。
興味のある方はユーチューブでアーチスト名と曲名を入れ検索してみて下さい。
すぐにヒットします。





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Author:ままタクシー
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記事担当のヨッシーです。
乗務員歴6年(H22年7月現在)
ウチの会社では中堅ドライバーになりました。
明るくやさしく安全運転をモットウに日々頑張ってます。
趣味:音楽鑑賞 カメラ
   愛犬とブラブラ散歩・ゴルフ
   読書と書くこと
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更新していきたいと思います。

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